オコゼ
知人の、ダイニングバーのメニューの参考にと、
何件か、佐世保の飲食店を食べ歩きました。
とてもすばらしい出会いがあったり、勉強になることがたくさんありました。
ある、ちいさな居酒屋での出来事。
お店はこざっぱりとして、おじさんとおばさん、おばあさんと、かわいい
アジア系の若い女性とで、切り盛りされている様子。
基地の町佐世保らしく、店の中にはイージス艦やたくさんの軍艦の写真が
かざってあり、お客様も自衛隊の方がすでに居られました。
安くておいしいという評判だったので、300円~500円くらいのものを
2~3品頼みました。さっと料理しては、出してくれます。
店主らしき方は自衛隊の方たちとよく話をしておられ、私たちには
さほど関心を払ってはいません。
座敷もあり、そこの奥のドアにはなぜか「コンピューター室」とプレートが貼ってある。
普通の、どちらかというと、古いただの住居へつながるドアにしか見えないけど・・・。
それから、店主がやおら奥に下がり、衝立を私たちの視線から入り口をさえぎるように
広げる。しばらくすると、コンピューター室のドアが開き、そこから・・・おじいさんが
店主に抱えられ、出てこられた。
やはりただの住居へとつながるドアでした。おじいちゃんにご飯を食べさせて(もちろん
私たちからはほとんど見えません。)店主は、またコンピューター室へとおじいちゃんを
連れて行ったのでした。
日本の国防がここで支えられているのかと思いました。
ちなみに、今日のお勧めメニューというところで
だんなさんが オコゼって書いてあるけど、食べたことないから頼もう、というので
頼みました。
すると店主の態度が一変。おばあさんも張り切って笑顔で話しかけてきます。
小さい魚のから揚げかなんか出てくるのかと思ったら、
結構大きな、グロテスクな頭の魚のおつくりが出てきました。
身は透明で、薄く皿いっぱいに広げられていて、まるでふぐのよう。
皮と、胃袋が湯引きしてあり、肝もきちんと蒸してあるようでした。
これはちょっと高いかも・・・と思いながら、それでもあまりのおいしさに、
二人でパクパク。
最後には、お味噌汁に仕上げていただき、終了です。
さあ緊張のお会計。
・・・どう考えても、オコゼ1匹で4500円超えでした。
ははは。知らないってすばらしい。
店の皆さんから、愛想良く「またおこしくださーい」と、言われました。
たとえまた行ったとしても、
もう2度とオコゼは食べられないから、いい経験しました。